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コラム

かなり昔から仲良くしている後輩と会ってきました。
出会った頃の彼は22歳でしたが、今やもう31歳。身長が高くて男前なところは今も変わらないのですが、もっと変わらないのは、相も変わらず司法書士試験の勉強をしているところ。
今年の夏に記念すべき10回目の受験に挑む彼に、司法書士試験の地獄について聞いてきました。
ホントは普通に話しているんですが、インタビュー形式にして綴りましょう。事実を元にして、ちょっと脚色を加えた「突入せよ！あさま山荘事件」仕立てでいきましょう（観たことないけど）

インタビューは本町のカフェベローチェにて180円のホットコーヒーを飲みながらざっくばらんに的な。

それでは始めましょう。

ー久々ですね。元気そうじゃん。今って、司法書士の補助者やってるんだよね？

Ａ氏：お久しぶりです。はい。やたら忙しい事務所で、疲れ切ってますよ…

ーへぇ、こんなご時世に忙しいってすごいね。幸せなことじゃん。ところでさ、やっぱり、まだ司法書士の勉強してるんだよね？

A氏：ちょこっとね。もう3月になりますからね。そろそろ本腰入れてやらないと。一応ね、答練は1月から通ってますよ。今は基礎を思い出していく最中ですね。やっぱ、試験受けてから何ヶ月か勉強してないと基礎の部分も抜けていくんですよ。だから、それを思い出していくところ。で、これから、じっくり細かい論点を潰していく感じですね。

ーふ〜ん、そんなサイクルがあるんだ。さすが、司法書士試験マスターじゃん。

Ａ氏：そりゃね、10年近くやってますから。

ー確か、大学の頃から勉強してるよね？よく司法書士なんて資格知ってたよなぁ。俺、知らなかったもん。司法書士と行政書士の違いなんて全くわかってなかったよ。

Ａ氏：親戚で一人司法書士がいるんですよ。だから知ってたんじゃないっすかね。何をする仕事かなんてことはちゃんとわかってなかったかなぁ。就職もなさげだから資格取っておかないと、って感じ。でも、大学のときに勉強してたと言っても、本読んでたくらいですよ。金ないし。独学です。

ー大学卒業して司法書士事務所に入ったんだよね？それからどんなふうになってったんだっけ？

Ａ氏：う〜ん…。おんなじことを繰り返してるからあんまり覚えてないんですよ…。確か、最初に司法書士事務所に入った年に、主要科目だけ早稲田セミナーに受講しにいったんですよね。

ーあ〜、そうだそうだ！それで登練受けずに受験したんでしょ？そりゃ受からないでしょ？

Ａ氏：惨敗っすね。お金なかったですから登練までは受けれないですよ。で、試験受ける前に司法書士事務所を辞めてたんで、試験後に実家に帰ったのかな、確か。で、本腰を入れて勉強したんです。

ーいやいや、その頃でも「テレビ見ちゃう」とか言って6時間くらいしか勉強してなかったような…。

Ａ氏：あ〜、そうでしたっけ？覚えてないなぁ。だからかな？ここでも惨敗。で、また大阪に戻って司法書士事務所で働いて、ここもやたら忙しい事務所で、全然勉強できなくて。また試験前に辞めたんじゃないかな。

ーそうそう、それが25の頃だよね？そこから割と真剣に勉強して、成績も良くなってきたんだよね？

A氏：そうですね。レックの上級者コースの授業を受けて、真面目に勉強してたんじゃないですかね。その年に初めて択一の基準点をクリアしたんだと思います。

ーうん。合格しそうな雰囲気出てきたよね。で、バイトしながら勉強だったよね。

Ａ氏：はい。そうですね。その2、3回がピークかな。

ーそうそう。試験前にめちゃくちゃ緊張するんだよね？で、俺が睡眠薬をあげたよね。その頃だ。やっぱ、合格の可能性が高くなると、1年に1回の試験ってプレッシャーなんだよね。あ、睡眠薬は大量に服用しないでね。死んじゃうから…

A氏：相変わらず軽いですねぇ…

ーそんなことないよ。

A氏：そうです。実際、めちゃくちゃ惜しかった年とかありましたもんね。そこで受からないのが、この試験の怖さですね。

ーまさにソレよ！合格率2.8％でしょ？確率論的に言うとね、毎回異なる結果が出るパーセンテージなんだって、それ。ほぼ同じ結果が出るためには7％は必要らしいんよね。だから、運は絶対にある。

Ａ氏：へぇ…。確かに運は否めないですね。

ー一緒に勉強してた人って誰か合格した？

A氏：誰も

ーみんなどうしてるの？

A氏：どうしてるんでしょね…。司法書士の勉強って潰しが効かないんですよ。だから、諦めたときにおっさんになってたらどうしようもないですよね。それが怖いから勉強してるというのもあるのかも。

ー確かに、潰しが効かないよね。でも、10年続けてきたのは単純にそれだけで偉いよ！もう合格するんじゃない？

A氏：でもね、最近記憶力の衰えを感じるんですよ…

ーマジですか。でも、合格者の平均年齢って33歳くらいでしょ？まだいけるじゃん。

A氏：だといいですけど。でもね、合格してもね、食っていけないでしょ？

ー確かに…

A氏：営業力がないともう絶対に無理ですよ。

ー確かにね。そんなに難しい試験に合格しても食えないという理不尽さよな。

A氏：そうなんです。

ーそうそう、彼女いるの？

A氏：いないですよ。できる気もしないです。金無いし。

ーずっと金無いよね？

A氏：ずっと無いですね。どこにあるんですかね？

ー金？金はあるところにしかないよね。

A氏：それ深いなぁ…

ー結果と経過、どっちが大事よ？

A氏：金っすね。

ーそれ、選択肢に無いよ。

A氏：あ、そうなんすか。イワモトさんは？

ー俺？愛かな？

A氏：あ、それ欲しいわ。でも、金無いと愛は手に入らないでしょ？

ーいや、金のないときに手に入る愛があるとしたら、それって最高の愛でしょ。

A氏：まぁ、そうかも。

ーとにかく、今年合格しようよ！司法書士になってもモテないけど！

A氏：ほんと、それっすね…